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ここは一体どこの街だろう。大地はカラカラに乾き、背後にはサボテンが立ち並ぶ。遠くに見える建物はレンガか石の造りのようだから、ここは雨とは縁のない、木の生えない土地なのだとわかる。

けれども、まっすぐ伸びる歩道は板敷である。もしかしたら橋の名残なのかもしれない。ならば、ここには以前水が流れていたのだろうか…?

どちらにせよ、広大ながら寂しい場所である。しかしそんな寂しさとは正反対の、弾けるような明るさが画面の向こうからやってくる。



大きく腕を振り足を上げ、満面の笑顔を浮かべるナミ。

その姿はまるで凱旋する騎士のように誇らしげだ。なるほど今回の「仕事」は大成功に終わったのだろう。得意げな表情で付き従うブタの従者の背中には、財宝の詰まった宝箱がしっかりと括り付けられている。ナミが命を削って手に入れた戦利品。その輝きはしかし彼女自身の眩しさには敵わないだろう。

ブタの背にはもう1つ、ドクロマークを大きなバツで塗りつぶされた海賊旗もはためいている。数時間前、彼女にまんまと宝を盗まれた哀れな(?)海賊のものだろうか。

「信念の象徴」。ONE PIECEの世界では、このドクロの旗をしばしこう呼ぶ。ナミにとってはこのバツを描かれたドクロこそが、その信念の美旗である。


危険もかえりみず、命もいとわず。彼女は忍び込み、盗み、そして笑って帰っていく。その行為に秘められた意味を知っているからこそこう思うのだ。

本当に、なんて強く。美しい女性なのだろう。